2022年現在イギリスへ研究留学をしています。
半年間という海外生活について記録していこうと思います。
文化やルール、いろいろな違いを取り上げていきます。
投稿者「ayato」のアーカイブ
リペア記録
世の中の製品は人が使用したり環境内で実働することで疲労していきます。技術者が目指すべき製品は耐久性と利便性を兼ね備えることが必要不可欠と言えます。そんな製品を完成させる方法として現在の製品の疲労部分を見て、修理・メンテ・交換することで、製品の仕組みだけでなく、改善点を洗い出すことも可能です。今後以下にコンテンツを追加していきます。
〜製品メンテナンス〜
Web会議アプリ
Web会議用のアプリケーションは遠く離れた場所の人と顔を合わせて話せることから世界中で活用されています。2019年まで、Web会議アプリの使用は英会話や海外、地方の友人と会話する程度でしか使用されていませんでした。しかし2020年は年初からコロナウイルスにより自宅待機生活が主流となり、Web会議アプリの使用が大幅に増加しました。会社のミーティング、大学のゼミ等は全てWeb会議になりました。Web会議アプリの種類はSkype、Teams、Zoomなど様々です。中でもZoomはコロナ騒動をきっかけに多くの現場で普及したと思われます。Zoomは無料登録が可能で40分まで通話が可能です。ライセンスを所得している会社の社員や大学の学生がホストとなれば、通話時間は無制限となります。Zoomの特徴は画面共有のしやすさと自分を自動トリミングして背景と合成できる機能があることです。今回はZoomの機能について取り上げます。
Zoomの便利機能
- 画面共有
- バーチャル背景の設定
- スケッチツール
- チャットツール
- レコーディングツール
Zoomが他のWeb会議アプリよりも選ばれる大きな理由は画面共有中に書き込みができ、録画ができることです。加えて、接続の安定性、会議参加の方法が容易であることも使用者に好まれる理由です。先日私が参加したWeb飲み会は、Zoomの機能を使いながら会話することで、沈黙することなく5〜7時間開催していました。機能の評価として、バーチャル背景は大変優れた機能だと思います。自分のバーチャル背景を好きな俳優や説明したいものにすることで、天気予報しのように画面の前に立って指でさしながら説明でき、相手に要点が伝わりやすいです。また、同時に書き込み可能なスケッチツールを使用すれば自分が想像している形と相手の想像を一致させながら話せます。さらに、他のアプリと併用することでさらに実況感を出すこともできました。私はパソコンでZoomに参加しましたがApowerMirrorというアプリをインストールすることで、パソコンにスマホの画面を共有できるようにカスタマイズしました。スマホのカメラを使用しパソコンのモニターとスマホのカメラの2場面を共有できるようになりました。料理撮影をしたり、一瞬違う場所を写したりできるので非常に便利です。私は料理風景の実況に使いました。
Web会議アプリは様々ありますが、アプリごとに面白さがあります。この自宅待機期間に、Web会議アプリを使用してセパレートされた空間を繋いで、少しでも明るい気分になれる場を作ってみませんか?

3Dプリンタ
3Dプリント技術
3Dプリンティングはモデリングしたデータを容易に造形できる技術であり、2020年現在では多くの企業がそのサービスを提供しています。さらに低価格の家庭向き3Dプリンタも多くの種類が発売されており、10万円以下であるにも関わらず高精度印刷が可能な物もあります。
低価格体の3Dプリンタは熱溶解型(FDM)と光造形型(SLA)の2種が主です。FDMの場合メーカーごとに販売する多種な色の樹脂を溶解およびノズルから射出してモデルを積層形成します。SLAは一層ずつUVで硬化させていきモデルを形成します。FDMの造形精度はノズルのxyz制御精度、SLAの精度はUVライトの照射精度が決定します。各3Dプリンタごとにシステムや造形プロセスに違いがあるので、自分が大きい造形を主体として扱うのか、小さいプラモデルのような部品の印刷を主に行うのかによって適宜選択する必要性があります。SLAは耐衝撃性には優れていないですが、FDMに比べて精度が高いので展示向きです。FDMはABS,PLA,PCなど様々な材料が使用可能で、スマホケースやマグカップ、素材によっては自転車の部品のような実用的な部品を作ることも可能です。
各メーカーごとの比較
- Flash forge
5~30万で購入できるFDMは数多くありますが、温度設定やノズル制御の難しさ、サポート材の部分の造形の乱れなど、マニュアルで操作しないと満足な印刷ができないものがほとんどです。Flash forgeは低価格体の3Dプリンタの発売当初から参入しており、長期間にわたり新モデルの開発とシステムの改善を繰り返しています。- FlashForgeの3Dプリンタを私が使用し始めたのは2014年ごろにデュアルノズル印刷を可能として発売されていたFlashForge Dreamerです。印刷のピッチは一層あたり最小0.05mmで、安定した印刷が可能です。同年代に発売されていた他のメーカの3Dプリンタに比べると、高確率で印刷が成功する印象を受けました。印刷速度80mm/sに設定しても安定した綺麗な印刷が可能です。価格は14万円前後です。3Dプリンタの価格基準と比べると比較的安いですが、十分満足の行く印刷ができます。
2018年にFlushForge社は 3Dプリンタのnewモデルadventure3を発売しました。価格は6万円台と非常に安価です。新モデルはノズルヘッドの交換がワンタッチで用意な上に印刷ピッチ0.05mmの高精度印刷にも対応しています。動作時の静音性に優れており、隣で動作していても気づかないほどです。ノズルは発売当初から改良が続いており、熱が過剰にたまる問題が改善され、ABS樹脂の反りがなくなりました。さらに新型ノズルとして0.3mm径も発売されています。ネットワーク接続をしていればクラウドを用いて遠隔印刷が可能です。2020年に発売が開始されたadventure3Xはadventure3の上位互換です。最大の特徴は金属材料(ステンレス316)を印刷できることです。通常印刷後、脱脂と焼結処理を施すことで金属部品の完成となります。adventure3Xのレビューは使用後に改めて記載します
- Markforge
3Dプリントされた部品は積層方向に脆いことや、溶解温度が低い点でメカニカルな部品としては実用性に乏しいと言えます。Markforge社は工業用の3Dプリンタを取り扱っており、カーボン、カーボンファイバー、金属の印刷が可能です。- Onyx-oneは50万円程で購入可能
なカーボン素材を印刷できる3Dプリンタです。カーボンを使用しているため、印刷部品の強度は非常に高いです。積層ピッチは0.1mmが最小でありますが、積層痕がほとんど見えません。また、肉薄で形成したモデルであれば、柔軟性を表現できるだけでなく繰り返しの曲げにも順応します。Onyx-oneは追加オプションによりカーボンファイバーも使用できるようにアップグレードが可能です。カーボンファイバーを使用した部品であれば、機械部品としても使用可能なほどの高い実用性が得られます。
- Onyx-oneは50万円程で購入可能
- Formlab
Formlabは光造形3Dプリンタをメインに扱う3Dプリントメーカです。光造形3Dプリンタは工業用のものが多い中、一般オフィスにも導入でき、その精度が最も信頼できるのがFormlabsの3Dプリンタです。 - RAISE3D
従来のFDM方式の3Dプリンタが印刷できる容積は、さほど大きくないことが特徴でした。RAISE3D社の3Dプリンタは非常に巨体な造形が可能であり、印刷精度も高いことが特徴です。- RAISE3D Pro2は印刷容積305×305×300mm
を有する3Dプリンタです。Pro2の価格は50万円ほどで、さらに大容量を印刷できるPro2 Plusは70万円ほどで購入可能です。印刷ピッチは最小0.01mmの設定が可能で、FDM3Dプリンタの中では屈指の高精度印刷が可能であると言えます。また、デュアルノズルヘッド式であり、ノズルの切り替え時に左右のノズルが上下に移動して切り替わるため、隣のノズルが造形物に揺れて削ってしまう恐れがありません。ただし、ベットの加熱時間がかなり長いこと、ノズルのメンテナンスがかなり細かく分解しないとできないこと、ベッドの消耗が早いこと、その他全体のメンテナンスのためには配送時に使用されていた箱に入れて送らないといけないので大きな箱を常に保存しておかないければなりません。多少不便を感じる部分はありますが、印刷物に関しては不満のないものができます。
- RAISE3D Pro2は印刷容積305×305×300mm
- KEYENCE
- ASIRISTAはKEYENCEが販売している3Dプリンタです。その積層ピッチは最小で15μmで、価格は700万円ほど、非常に高精度高価格な3Dプリンタです。この制度の高さを実現しているのがインクジェット印刷です。樹脂は4種類ほどの中から選ぶことになりますが、全てアクリル系の素材で硬度が異なります。カタログの方ではネジを締めても割れないことをデモンストレーションしています。使用した印象としては、3Dプリント用に公開されている3Dデータであれば100%印刷が成功します。またサポート剤がワックスのようなペースト状で、モデルがサポート剤で包み込まれるように印刷されます。サポート剤は水溶性なので、エタノールや水で簡単にきれいに洗い流すことができます。
MARS-GEAR (CanSatミッション)
CanSatミッション班MARS-GEARは2017~ 2018年の期間、CULALA(サンプルリターンを目的としたCanSat)を開発しました。CULALAは走行の安定性のためにロッカーボギー機構を採用しており、凹凸の多い地形で車体の傾きを最小限にして走行できます。よって内部のセンサ類の高い認識精度を保証します。さらに機体は折り畳み機構により車輪部を開閉することができます。この機構はパラシュートの分離と機体横転時の姿勢回復の機能を担います。パラシュートの分離は多くのチームが電熱線によるシュラウドラインの切断によって行います。CULALAは車輪の回転と折り畳み機構の展開機能を用いて物理的に分離を行うので、誤作動を起こしにくく、確実な分離が可能です。ミッション機構はドリルで地面を掘削し、4つのBOXにサンプルを回収する機能を有します。
CULALA01は走行実験用の機体であり、走破性の高さが確認されました。
CULALA02はカムバック機体であり種子島ロケットコンテストに出場しました。
小型模擬人工衛星(CanSat)
CanSatは惑星探査を目的としたロボットです。機体には環境の情報を読み取るセンサが多数実装されており、基地局に環境のデータを送信しながら要求されるミッションを遂行します。機体のサイズはφ146mm×240mm以内、重量は1050g以内(能代宇宙イベントレギュレーション参照)に決められています。
機体は大会に合わせてランバック、フライバック、ミッションの3つのカテゴリーに分類されます。それぞれの部門は、機体を気球やドローンで上空に運んだ状態から投下し開始となります。ランバックは機体に取り連れられたパラシュートで降下し、着地後にパラシュートを分離し、予め決められた座標の目的地に自律して向かいます。フライバックの場合は投下後に機体の翼を制御して目的地に向かいます。ミッションは各班ごとに定めた目的を達成します。例えば「地中の水分測定」「降下中の機体の姿勢制御」「地形マッピング」「サンプルリターン」などが設定されるミッションです。
ランバックの場合写真のような二輪型が主流ですが、レギュレーション内であれば、複数車輪でも、車輪でなく足による歩行でも良く、全出場チームが唯一無二の機体設計を行います。大会では制御の精度、機体のオリジナリティ、社会貢献度等が評価されます。




芝浦宇宙航空研究開発部
工業大学を卒業したからと言っても学生全員がものづくりが得意なわけではありません。学生生活中にものづくりの知識を学んではいますが、実際に手を動かして機械・デバイス・ロボットを開発する経験は部活動でのみ得られます。
芝浦宇宙航空研究開発部 SHARXS(旧:芝浦衛星チーム)は、宇宙航空に関連するものづくりを行っている部活です。各プロジェクトの班は学年や学部を隔てることなく構成されています。プロジェクトは、年々変わりますが「ロケット」「CanSat」「衛星設計」は人気です。他にも「宇宙エレベータ」「バルーン人工衛星」「飛行型CanSat(フライバック班)」などが活動していました。SHARXSのような宇宙に関連したものづくりは学生レベルではあるものの、「火星移住計画」「宇宙ステーションにおける医療開発」「環境認識」「地形マッピング」「遠距離交信」「宇宙誕生の解明」などと言った目的に沿って開発が行われます。そして、理論的な基礎設計に加えて環境から受ける影響に柔軟に適応する応用設計が求められるため、学生が実用的なものづくりを行うためのスキルアップに有益な場となります。さらに、ものづくりを行う学生団体のほとんどが行っているのが、団体活動のアピールです。部費の確保のため、他団体との交流のため、進入部員を集めるため、アピールする相手は様々です。また、プレゼンの場は文化祭のような学内のイベント、大会会場、さらにはビッグサイトや幕張メッセで開催される展示会にまで及びます。
人前で話すことに慣れた上で、自らの主張を熱意を持って正確に他人に伝えられることは一般的には社会人になってから学ぶと思われがちです。しかし、自分たちで物を作ったからこそ、そのアピールポイントが分かり、自分たちの物だからこそ丁寧に説明したいと思える。例え説明で失敗したとしても次がある。そんな経験ができるのは、ものづくりを掲げる学生団体の活動だけではないかと思います。
次に求められる技術とは
初めまして!このサイトの運営者のayatoと申します。本サイトでは私のこれからの研究生活を通して、物に触れて得られる創造性により、次世代技術を生み出すまでの道のりを記載していきます。
まずは、現代のデバイス技術から次世代技術を想像してみようと思います。現在の私たちの生活は多くのデバイスによって支えられています。スマートフォン・テレビ・パソコン・電子レンジ・冷蔵庫などなど、生活必需品とも呼べるものが数多く存在します。中にはIot化によりネットワークでデバイス同士が繋がるものまであり、生活における利便性は日々高まっています。では次に、上であげた多くのデバイスの進化過程を考えてみましょう。例えばスマートフォンは2007年にapple社が発売したiPhoneを起点としてスクリーンタッチによる操作のみならず、Siri・指紋及び顔認証・高画角カメラ・高性能CPUの搭載が実現されてきました。Siriは声、認証は体の部位を対象として機能します。つまりこの進化過程はデバイスが人の五感・五体とシームレスに繋がる傾向上にあると考えられます。現代デバイスの人と密な関係を持つ機能の大半はAIや音声認識機能などのCPUの性能向上に伴うソフトウェアのグレードアップによるものです。ソフトウェアの進化はデバイスの扱いやすさを確かに向上させています。しかしここで着目すべきなのは、進化過程においてほとんど変化が見られない要素です。それは「形」です。既存のデバイス開発は扱い易い形をカッチリと設計して内部に部品を組み込んでいく傾向であったと思います。よって使用者はデバイスの名称だけでその形を想像できると思います。しかし、人の五感とシームレスに繋がろうとする進化を考慮すると、デバイスが成す形状が1つである必要はなく、使用者の体の部位に合わせて柔軟にフィットすることも望まれるのではないでしょうか?
故に次に目標となるのは「特定の形を持たないデバイスの設計技術」であると私は考えてます。

研究は始めて間もないですが、その技術開発のピースとして現在着目しているのがシリコーンやゴムのような柔軟材料です。デバイスを柔らい素材で設計すれば、体の部位の型をとったイアホン・義歯・椅子のようなフィット感を実現できます。さらに、柔らかさは衝撃吸収性をもたらすので、落としたりぶつけても壊れないと言ったメリットも生まれます。そして3Dプリンタやレーザー加工機のような一般家庭でも容易に複雑な形状の構築が可能となっているため、柔らかい材料を用いたデバイス開発の条件は十分揃っていると考えています。
2020年を迎えた現代社会では、生活・産業・医療・宇宙など、どんな現場にも人の周りには形のあるデバイスが存在しています。それらのデバイスが人や環境に柔軟に適合して機能することは「人と機械の共存社会」の実現の次なる一歩であると私は信じています。











