3Dプリント技術
3Dプリンティングはモデリングしたデータを容易に造形できる技術であり、2020年現在では多くの企業がそのサービスを提供しています。さらに低価格の家庭向き3Dプリンタも多くの種類が発売されており、10万円以下であるにも関わらず高精度印刷が可能な物もあります。
低価格体の3Dプリンタは熱溶解型(FDM)と光造形型(SLA)の2種が主です。FDMの場合メーカーごとに販売する多種な色の樹脂を溶解およびノズルから射出してモデルを積層形成します。SLAは一層ずつUVで硬化させていきモデルを形成します。FDMの造形精度はノズルのxyz制御精度、SLAの精度はUVライトの照射精度が決定します。各3Dプリンタごとにシステムや造形プロセスに違いがあるので、自分が大きい造形を主体として扱うのか、小さいプラモデルのような部品の印刷を主に行うのかによって適宜選択する必要性があります。SLAは耐衝撃性には優れていないですが、FDMに比べて精度が高いので展示向きです。FDMはABS,PLA,PCなど様々な材料が使用可能で、スマホケースやマグカップ、素材によっては自転車の部品のような実用的な部品を作ることも可能です。
各メーカーごとの比較
- Flash forge
5~30万で購入できるFDMは数多くありますが、温度設定やノズル制御の難しさ、サポート材の部分の造形の乱れなど、マニュアルで操作しないと満足な印刷ができないものがほとんどです。Flash forgeは低価格体の3Dプリンタの発売当初から参入しており、長期間にわたり新モデルの開発とシステムの改善を繰り返しています。- FlashForgeの3Dプリンタを私が使用し始めたのは2014年ごろにデュアルノズル印刷を可能として発売されていたFlashForge Dreamerです。印刷のピッチは一層あたり最小0.05mmで、安定した印刷が可能です。同年代に発売されていた他のメーカの3Dプリンタに比べると、高確率で印刷が成功する印象を受けました。印刷速度80mm/sに設定しても安定した綺麗な印刷が可能です。価格は14万円前後です。3Dプリンタの価格基準と比べると比較的安いですが、十分満足の行く印刷ができます。
2018年にFlushForge社は 3Dプリンタのnewモデルadventure3を発売しました。価格は6万円台と非常に安価です。新モデルはノズルヘッドの交換がワンタッチで用意な上に印刷ピッチ0.05mmの高精度印刷にも対応しています。動作時の静音性に優れており、隣で動作していても気づかないほどです。ノズルは発売当初から改良が続いており、熱が過剰にたまる問題が改善され、ABS樹脂の反りがなくなりました。さらに新型ノズルとして0.3mm径も発売されています。ネットワーク接続をしていればクラウドを用いて遠隔印刷が可能です。2020年に発売が開始されたadventure3Xはadventure3の上位互換です。最大の特徴は金属材料(ステンレス316)を印刷できることです。通常印刷後、脱脂と焼結処理を施すことで金属部品の完成となります。adventure3Xのレビューは使用後に改めて記載します
- Markforge
3Dプリントされた部品は積層方向に脆いことや、溶解温度が低い点でメカニカルな部品としては実用性に乏しいと言えます。Markforge社は工業用の3Dプリンタを取り扱っており、カーボン、カーボンファイバー、金属の印刷が可能です。- Onyx-oneは50万円程で購入可能
なカーボン素材を印刷できる3Dプリンタです。カーボンを使用しているため、印刷部品の強度は非常に高いです。積層ピッチは0.1mmが最小でありますが、積層痕がほとんど見えません。また、肉薄で形成したモデルであれば、柔軟性を表現できるだけでなく繰り返しの曲げにも順応します。Onyx-oneは追加オプションによりカーボンファイバーも使用できるようにアップグレードが可能です。カーボンファイバーを使用した部品であれば、機械部品としても使用可能なほどの高い実用性が得られます。
- Onyx-oneは50万円程で購入可能
- Formlab
Formlabは光造形3Dプリンタをメインに扱う3Dプリントメーカです。光造形3Dプリンタは工業用のものが多い中、一般オフィスにも導入でき、その精度が最も信頼できるのがFormlabsの3Dプリンタです。 - RAISE3D
従来のFDM方式の3Dプリンタが印刷できる容積は、さほど大きくないことが特徴でした。RAISE3D社の3Dプリンタは非常に巨体な造形が可能であり、印刷精度も高いことが特徴です。- RAISE3D Pro2は印刷容積305×305×300mm
を有する3Dプリンタです。Pro2の価格は50万円ほどで、さらに大容量を印刷できるPro2 Plusは70万円ほどで購入可能です。印刷ピッチは最小0.01mmの設定が可能で、FDM3Dプリンタの中では屈指の高精度印刷が可能であると言えます。また、デュアルノズルヘッド式であり、ノズルの切り替え時に左右のノズルが上下に移動して切り替わるため、隣のノズルが造形物に揺れて削ってしまう恐れがありません。ただし、ベットの加熱時間がかなり長いこと、ノズルのメンテナンスがかなり細かく分解しないとできないこと、ベッドの消耗が早いこと、その他全体のメンテナンスのためには配送時に使用されていた箱に入れて送らないといけないので大きな箱を常に保存しておかないければなりません。多少不便を感じる部分はありますが、印刷物に関しては不満のないものができます。
- RAISE3D Pro2は印刷容積305×305×300mm
- KEYENCE
- ASIRISTAはKEYENCEが販売している3Dプリンタです。その積層ピッチは最小で15μmで、価格は700万円ほど、非常に高精度高価格な3Dプリンタです。この制度の高さを実現しているのがインクジェット印刷です。樹脂は4種類ほどの中から選ぶことになりますが、全てアクリル系の素材で硬度が異なります。カタログの方ではネジを締めても割れないことをデモンストレーションしています。使用した印象としては、3Dプリント用に公開されている3Dデータであれば100%印刷が成功します。またサポート剤がワックスのようなペースト状で、モデルがサポート剤で包み込まれるように印刷されます。サポート剤は水溶性なので、エタノールや水で簡単にきれいに洗い流すことができます。